ワークタイムとIT業界離れ

「IT業界にいるの?花形じゃないの。いいなぁ」と思わず言ってしまいそうなIT業界。
なぜなら今や何でもITに頼る世の中ですから、当然破格の待遇に選り取り見取りな仕事というイメージが付きまといます。
ところが新卒や中途採用において、IT業界離れという現象が起きているのです。

その原因の一つは、膨大なワークタイムにあります。友人がIT業界にいましたが、彼がツイッターに「今から帰ります」と呟いた時間には私は食事もお風呂もすませてベッドの中というのがほとんどの毎日でした。「大丈夫なの?身体壊さない?」と心配しましたが、とうとう友人は心身を病んでしまいました。

なぜそんなに膨大なワークタイムになってしまうのか。それはIT業界が日本ではサービス産業化しているからなのです。昔さながらの労働集約産業にしてしまった結果、企業(クライアント)からのフルオーダーメイドのシステムを受託開発に頼るという偏った実情になっています。
当然コスト削減やワークタイム増加は低賃金・若年労働者、派遣や下請けに皺寄せがくるのです。就職氷河期には、IT業界はまだこういったことが未知数であったためにIT業界を就職先に選ぶ人が多かったのです。が、日本特有の多重請負構造が露呈すると新卒者はIT業界を選ばないし、転職者や退職者が急増し、その転職者も再び就職する先にはIT業界を選ばない傾向があるので、慢性的な人手不足に陥ってしまったのです。
熟練の人材さえ失っていく業界において、人海戦術とばかりに残ったエンジニアには更に過酷なワークタイム増加が待っていました。
そして、そのワークタイム増加は我慢強い就業者の心身の病へと繋がってしまったのです。最近ではエンジニアのうつ病が特に目立ちます。

どのくらいワークタイムが長いのか。金融・保険・不動産・建設・資材などと並ぶくらい残業が多いとされています。エンジニアの4割は月200時間以上のワークタイム、繁忙期には毎日5~6時間の時間外労働をしているといわれています。また、その時間外労働の大半がサービス残業になってしまうのです。結果3K、といっても昔の3Kではなく『キツイ・帰れない・気が休まらない』といわれています。
良くあるのが、システムのカットオーバーが近いから終電まで毎日残業とか、ユーザー企業から夜中にコールがあって緊急対応とか・・・深夜や休日などに渡り過酷です。基本、時間外労働というのは45h/月です。それ以上の時間外労働というのは、本来具体的な理由が必要で「特別条項付き36協定」が労使当事者間で結ばれている場合です。もちろん対応しなければならない仕事ですし、現実問題月45時間では間に合わないでしょう。しかし、ここはきちんと残業手当(割増賃金)を貰い、労働者の権利である有給休暇もキチンと使って自分のメンテナンスに生かしましょう。

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